【WISC】ワーキングメモリーが低いと言われたときの考え方

WISC 支援・解説 WISC基礎知識

WISCの結果を見たとき、
「ワーキングメモリーが低い」と説明を受けて不安に感じる保護者の方も少なくありません。

「覚える力が弱いということなのだろうか」
「勉強についていけないのではないか」

そのように感じることもあるかもしれません。

しかし、ワーキングメモリーは単純な「記憶力」とは少し違います。
ここでは、ワーキングメモリーとはどのような力なのか、そして結果をどのように理解すればよいのかを整理します。


ワーキングメモリーとは

ワーキングメモリーは、
聞いたことや見たことを一時的に頭の中にとどめながら考える力です。

たとえば、

・先生の指示を聞きながら作業する
・計算を途中まで覚えながら答えを出す
・文章を読みながら内容を理解する

このような場面で使われます。

よく「頭の中のメモ帳」のようなものと説明されることもあります。


数値の例

例えば次のような結果があったとします。

FSIQ 95
VCI 100
VSI 102
WMI 72
PSI 90

このような場合、全体としては平均の範囲に入っていますが、
ワーキングメモリーの部分だけが低めに出ています。

このように、指標ごとに差が見られる結果は、WISCでは特別珍しいものではありません。


よく見られる様子

ワーキングメモリーに負担がかかりやすい場合、次のような様子が見られることがあります。

・指示を聞いているように見えても、一部を聞き逃していることがある
・いくつかの指示が続くと、最初の部分が抜けてしまう
・課題の手順を頭の中で整理することが難しい
・作業の途中で、次に何をするのか分からなくなる

ただし、これらの様子がすべて当てはまるとは限りません。


大切なのは「できない理由」を理解すること

このような様子があると、

「怠けているのではないか」
「もっと集中すればできるのではないか」

と受け取られてしまうことがあります。

しかし、ワーキングメモリーに負担がかかりやすい場合、
頭の中に情報をとどめておくこと自体が難しいことがあります。

そのため、本人の努力とは別のところで困りごとが生じている場合もあります。


結果の活かし方

ワーキングメモリーの結果は、
「できる・できない」を決めるためのものではありません。

たとえば、

・指示を短く区切る
・手順を順番に示す
・手順を紙に書くなどして視覚的に確認できるようにする

といった環境調整のヒントになります。

家庭での具体的な支援方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
結果を受けたあとに家庭でできる支援5選

小学生くらいになると、
連絡帳などに必要なことを書き留めておく習慣が役立つこともあります。


まとめ

WISCのワーキングメモリーは、
「覚える力」そのものではなく、情報を一時的に保持しながら考える力を示しています。

数値だけで判断するのではなく、
その子の様子と合わせて理解することが大切です。

検査結果は、子どもを評価するためではなく、
その子に合った関わり方や支援を考えるための手がかりになります。


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