園で「指示が通らない」と言われたとき
園の先生から、
- 「全体に説明しても、あとで個別に言わないと分からないんです」
- 「聞いているように見えるのですが、違うことをしてしまうことがあります」
- 「理解が少し怪しい感じがします」
といった話を聞くことがあります。
保護者としては、
「ちゃんと聞いていないのでは?」
「ふざけているのでは?」
と心配になることもあるかもしれません。
しかし、WISCの検査をしてみると、
子どもの能力の特徴が関係している場合もあります。
WISCで関係することが多い指標
「指示が通りにくい」様子には、主に次の2つの指標が関係することがあります。
言語理解指標
言葉の意味を理解したり、説明の内容を把握したりする力です。
この力に負担がある場合、
- 説明の意味が十分に理解できない
- 抽象的な言い方が分かりにくい
- 話の内容を自己流に解釈してしまう
といったことが起こることがあります。
その結果、言われた通りに行動できないように見えることがあります。
言語理解については、こちらの記事でも解説しています。
▶【WISC】言語理解が低いと言われたときの見
ワーキングメモリー指標
聞いた内容を一時的に覚えておきながら行動する力です。
この力に負担がある場合、
- 最初に言われたことを忘れてしまう
- 指示の途中が抜けてしまう
- 複数のことを順番にするのが難しい
といったことが起こることがあります。
たとえば
「片付けて、手を洗って、椅子に座ってください」
と言われても、
途中の手順が抜けてしまうことがあります。
ワーキングメモリーについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。
▶【WISC】ワーキングメモリーが低いと言われたときの考え方
「聞いていない」のではなく「処理が追いつかない」
このような子どもの様子は、
- 聞いていない
- やる気がない
- ふざけている
と誤解されることもあります。
しかし実際には、
- 言葉の理解に時間がかかる
- 聞いた内容を頭の中で保つのが難しい
といった理由で、
指示の処理が追いついていない場合もあります。
家庭や園でできる工夫
原因によって、関わり方を少し工夫すると理解しやすくなることがあります。
言語理解に負担がある場合
言葉の意味が分かりにくい場合は、
具体的な言い方にすることが大切です。
例えば
「ちゃんとしてね」
「きれいにしてね」
よりも
「おもちゃを箱に入れてね」
「机の上の紙をこの箱に入れてね」
のように、具体的な言葉で伝えると理解しやすくなることがあります。
また、
- 見本を見せる
- 実物を使って説明する
といった方法も役立つことがあります。
ワーキングメモリーに負担がある場合
長い指示を一度に伝えると、途中で抜けてしまうことがあります。
そのため、
- 指示を短くする
- 一つずつ伝える
- 手順を順番に確認する
といった工夫が有効です。
例えば
「片付けて、手を洗って、椅子に座ってください」
ではなく、
- おもちゃを片付ける
- 手を洗う
- 椅子に座る
というように、順番に伝える方が理解しやすくなることがあります。
視覚情報を使う
言葉だけでなく、
- 絵カード
- 手順カード
- 見本
などの視覚的な情報を使うと、理解しやすくなることがあります。
視覚的な情報は、
言葉の理解や記憶の負担を減らす助けになります。
家庭での具体的な支援については、こちらの記事でまとめています。
▶ 結果を受けたあとに家庭でできる支援5選
子どもの特徴として理解する
園で「指示が通らない」と言われると、
保護者は不安になることも多いと思います。
しかし、その背景には
- 言語理解の特徴
- ワーキングメモリーの特徴
といった、子どもの認知の特徴が関係していることもあります。
その子に合った伝え方を工夫することで、
理解しやすくなることも少なくありません。
WISCの結果は、
子どもを評価するものではなく、
その子に合った関わり方を考える手がかりとして活用していくことが大切です。
