園で「話を聞いていないようです」と言われると、
「理解していないのでは?」
「わざと聞いていないのでは?」
「やる気がないと思われていないかな」
と、不安や戸惑いを感じることがあります。
しかし実際には、
👉 “聞いていない”のではなく、“処理しきれていない”
ということも少なくありません。
子どもが話を聞いていないように見える背景には、
態度やしつけだけでなく、認知の特性が関係していることがあります。
WISC(ウィスク)では、こうした特徴のヒントが見えてくることがあります。
この記事では、「話を聞いていない」と言われる理由と、
家庭や園でできる関わり方を整理します。
まずは、「どんな場面でそう見えるのか」から整理していきます。
「話を聞いていない」と言われやすい場面
園では、次のような様子から「話を聞いていない」と受け取られることがあります。
・先生の説明中に別のことをしている
・返事はするが行動できない
・同じことを何度も言われる
・周りより動き出しが遅い
たとえば、
「かばんをしまって、トイレに行って、手を洗ってきてね」
という指示があったとき、途中で止まってしまったり、別の行動をしてしまうことがあります。
このような様子は「聞いていない」と見られやすいですが、
👉 実際には
“聞いていない”のではなく、“処理しきれていない”ことも多いです。
WISCで関係しやすい認知特性
ワーキングメモリー
聞いた情報を一時的に保ちながら処理する力です。
この力に負担があると、
・話を最後まで覚えていられない
・途中で最初の内容を忘れる
・複数の指示が混ざる
といったことが起こります。
処理速度
理解して行動に移すまでの速さに関わる力です。
この力に負担があると、
・理解に時間がかかる
・話についていけない
・反応が遅れる
といった様子が見られます。
言語理解
言葉の意味や文の構造を理解する力です。
この力に負担があると、
・指示の意味が分かりにくい
・抽象的な表現が理解しづらい
といったことがあります。
それぞれの特性については、日常の様子との関係も含めて、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ ワーキングメモリーが低いと言われたときの考え方
▶ 処理速度が低いと言われたときの見方
▶ 言語理解が低いと言われたときの見方
「やる気がない」と誤解されやすい理由
このタイプの子どもは、次のように誤解されることがあります。
・ちゃんと聞いていない
・ふざけている
・やる気がない
しかし本人の中では、
「聞いていたのに分からなかった」
「どう動けばいいか分からなかった」
ということも少なくありません。
👉“できない”が“やらない”に見えてしまう
これが大きなすれ違いです。
家庭や園でできる関わり方
指示は1つずつ伝える
一度に複数ではなく、
「まず、かばんをしまおう」
と分けて伝えると理解しやすくなります。
短く・具体的に伝える
長い説明よりも、
「座ろう」
「先生を見よう」
などシンプルな言葉の方が伝わりやすくなります。
目線を合わせてから伝える
声だけでなく、目線を合わせることで情報が入りやすくなります。
視覚的に示す
・やること表
・イラスト
・見本
などを使うと理解しやすくなります。
確認の機会をつくる
「何するんだっけ?」と一緒に確認することで、理解のズレを防げます。
まとめ
園で「話を聞いていない」と言われると、不安になるものです。
しかしその背景には、
・ワーキングメモリー
・処理速度
・言語理解
といった認知の特徴が関係していることがあります。
大切なのは、
「聞いていない」と決めつけることではなく、
👉「どうすれば伝わりやすくなるか」を考えることです。
子どもの特性に合った関わり方を見つけることで、困りごとが少しずつ減っていくこともあります。
関連記事
このような様子は、ワーキングメモリーの特徴と関係していることがあります。
詳しくは「ワーキングメモリーが低いと言われたときの考え方」も参考にしてください。
また、処理速度の影響で「理解が遅れている」ように見えることもあります。
「処理速度が低いと言われたときの見方」もあわせてご覧ください。
WISCの全体像については、「WISCの5つの指標とは?」で整理しています。
👉 WISCの結果でよくある悩みは、こちらにまとめています
似た困りごとは、背景が共通していることもあります。
気になるテーマから読むことで、状況を整理しやすくなります。
▶ WISCの結果でよくある悩みまとめ
似た場面として、
▶ 「指示が通らない」と言われたとき
▶ 「集中できない」と言われたとき
なども関連する場面として見られることがあります。
あわせて参考にしてみてください。
👉 WISCの結果の見方に迷ったときは、こちらの記事も参考になります
▶ WISCの結果をどう受け止めればいいか
👉 学校生活や支援を考えるときは…
▶ WISCの結果が低いとき

